胃瘻をめぐって意見交換しました。
常任委員会の県内調査二日目。最初に、転換期にあるというか、政権が変わり、今後のありようが宙吊り状態にある介護療養型医療施設を尋ねました。
マンパワー不足 この施設は、精神科単科の病院に併設され、定員42名。現在の入院患者数は34名の内、要介護5が20名、要介護4が14名。喀痰吸引、経管栄養(経鼻カテーテル)、膀胱カテーテル、点滴、膀胱洗浄、導尿などの医療行為が必要な皆さんです。
ここでも待機患者が多数ある中、受け入れ患者は80%。それは、全体の看護師配置基準に対して6名不足している状況と、患者の状況を勘案しながら調整した結果だと。
医師とともに、石見地域のマンパワー不足を解決する困難性は大きくなるばかり。医療スタッフの派遣制度を検討して欲しいと。
胃瘻のない理由 胃瘻(経鼻に比べて手間が少ないし、患者負担も少ない)はありませんね、と聞いたところ、大田市立病院の外科医引き上げがその理由でした。外科医不在によって胃瘻の手術ができないこと、問題発生時の対応ができないことからです。
出雲まで行けば、全部で数時間はかかることになるわけですから。当然、他施設でも事情は同じ。胃瘻処置について強い疑問を持っていますので、この成り行きは喜ぶべきこと?でも、だから経鼻カテーテルというのもやはり心が淋しい気がします。
家族が判断 経管栄養や点滴などは、患者との話し合いによって決めているのか、また、断られたケースはどれくらいかと問いました。
患者は、寝たきりで認知症が多く、ほとんど本人確認はできない。医師と家族の話し合いによって決めるのだと。家族が断るケースは1割程度だろうかと。それは、点滴もほとんど入らないだろから患者本人にも苦痛が大きいことなどを踏まえて、これ以上苦しませなくてもと家族が判断したケース。
昨年度、30名の入院で退院は27名、在宅へは0、死亡退院が17名。スタッフの一人は、ここに来たとき、終末期だなあと感じたとのこと。
次にお邪魔した松江市内の特別養護老人ホーム。
本人の意思? 胃瘻について尋ねました。入所定員75名のうち12名が胃瘻処置をしていらっしゃいました。当然、経鼻カテーテルはありません。厚生労働省の目安が1割だそうですから、少し多めです。
誰の意思で処置されたのかと聞きましたら、本人はゼロ。可能であれば、入所前に本人の意思確認を取っているがそれは生かされたかと聞きました。同じように本人の意思が生かされない現実があります。
断られたケースはと聞いたところ、1件だけと。だから、介護保険で加算対象となった看取りにつながりませんとのこと。
人の尊厳とは? スタッフの方に、あなたなら胃瘻を受けますか?と聞きました。受けませんという、当然だろうと思える答えが返ってきました。
入所歴20年から25年の方が二人いらっしゃいましたし、100歳以上の方が7人、108歳の方もいらっしゃいます。多床タイプ(4人部屋)の特別養護老人ホームに20年以上。長生きするのもしんどい時代だなあとつくづく。
一方で、本人の意思とは違うところでも命が永らえる。一方で、マンパワーも財源も不足し、現場が疲弊する。人の尊厳とは、と改めて考えました。