セミナーでは凄い女性が講演してくれました。オンライン決済事業を世界で展開する外資系企業、PayPal Japanの製品戦略担当の太田良さんという方。演題は「進化するオンライン決済」、なかなか面白い話でしたが、僕にはさらっと知識として知っておこうと言う話し。でも、ここでも幾つか!がありました。
ミハイル・エンデ 一つは、ドイツの作家、ミハイル・エンデの「お金は人間が作ったもので、変えることができる」という話を引き、「お金が変われば社会が変わる」と仰ったこと。つまり、わが社は社会をより便利に変えようとしていると言いたかったのでしょう。
ちょっと気になって、調べてみました。
彼は、死の前年1994年2月6日、NHKとのインタービューで「新しい貨幣システム」を提案し、それがNHKスペシャルで放送されたとのこと。
そこで彼は、
現在、人々は本当の心の喜びを失っている。環境問題・貧困・戦争、現在の精神の荒廃には、お金の問題が潜んでいる。私が考えるのは、もう一度貨幣を実際になされた仕事や物の実体に対応する価値として位置付けるべきだということです。そのためには現在の貨幣システムが問題で、何を変えなくてはならないかを皆が真剣に考えなければならない。
この問題は、人類が、この惑星上で今後も生存できるかどうかを決める決定的な問いだと私は思っている。重要なポイントは、例えばパン屋でパンを買う購入代金としてのお金と株式取引所で扱われる資本としてのお金は、2つの全く異なった種類のお金であるという認識です。お金には幾つかの異なった機能が与えられ、それが矛盾して問題を起こしている。
と言うよなことを語っていたようです。
心の喜びを失っている 講演を聞いていて、エンデは知らなかったのですが、演題のイントロとして、エンデを語るには無理があるのではないか。作家が、「お金は人間が作ったもので、変えることができる」と語ったその真意を汲み取らずに、進化するオンライン決済を語る、僕は、エンデが聞いたら寂しがるだろうと思いました。
オンライン決済、僕も便利に使っていますが、そこにはお金の重みやありがたさのようなものが薄れてしまっているように思います。便利さを得る社会は、一方では人の大切なものを失う世界ではないのか、、、
だから彼は、「人々は本当の心の喜びを失っている」とインタビューで語り始めたのだと思います。 凄い女性と言いながら、落としてしまいました(>< が、大した講演でした。
投資先としての日本 もう一人は、JETORO対日投資部の藤井課長、彼も本当に頭の良い方でした。彼の話で、誘致期間への最大の期待はビジネスパートナーの紹介という点は、当たり前の話かもしれませんが、改めてうんそう、と頷きました。この紹介役、実はネットワークがあれば誰でもできるのですが、意識の問題もあるでしょうね。
それと、本当かいな?と思ったのは、投資先として日本は中国と肩を並べてトップという点。明日からの韓国では、この辺りも話題の一つにしたいものです。
便利が牙をむく あと、IT業界のクラウド化の中で、データセンターの設置先の話し。Googleのデータセンターを調査した資料がありましたが、世界の何十箇所にあっても日本にはないこと。進出したいけれどコスト問題があること。そして、全米の電力消費量の2%をデータセンターが占め、センター冷却で半分、サーバーそのものの冷却で半分。
CO2の25%削減には製造業からの排出ゼロが必要と聞いていますが、例えば熱発生と言う問題一つをとっても、熱発生を極端に抑える技術革新などができないようであれば、コンピューター社会というのは我々に牙を向く社会のようです。
我々の心地よいと思っている便利な社会は、常に我々に牙を向く社会であることを忘れてはならないのかもしれません。