非正規8万5000人失職、各紙の1面トップを凄い数字の見出しが踊っています。
この10月から来年の3月まで、解雇や期間満了による雇い止めで職を既に失ったか、今後失う非正規従業員の数の調査結果を厚労省が発表したものです。また、就職の内定取り消しも769人。
島根でも製造業を中心に1400人。本当に凄い数字、しかも年の瀬に当たってですから胸が痛みます。
各種対策 政府も今後3年間で2兆円規模の対策を実施し、140万人の雇用維持・創出を目指すこととしており、住宅・生活の支援対策として、雇用促進住宅の入居あっせん、資金貸付、雇用維持対策として、中小企業には手当等の4/5の助成、採用内定取り消しへの対策として、相談窓口が設置されています。
また、年末27日から30日まで、松江ハローワークでは緊急職業相談窓口が開設されています。
二次補正対策 今後、二次補正予算が成立すれば、都道府県に過去最大4000億円の基金を創設し、直接雇用を創出するとともに、再就職支援対策として雇い入れ助成の拡充や離職者訓練の強化などが実施されることになります。
また、21年度からは、雇用保険のセーフティネット機能の強化も予定されています。
これらの対策が動き出せば、かなり雇用や生活を下支えしていくことになると思います。それはそれとして、派遣やアルバイトなど非正規の働き方の本質的な問題点について、少し考えてみたいと思います。
出雲村田製作所が派遣150人削減、という記事に「幸い?派遣社員はほとんど県外とのこと」と書き、いくつかのご意見を頂きました。ここでのご意見は、県外であったから云々は置くとして、僕の思いと同じでした。
自己責任論 一方、派遣やアルバイトなど非正規の働き方について、自己責任と指摘する何人かの方と話しました。その声は大変厳しいものでした。確かに、仕事を選ばなければ、正規への道もあったかも知れない。しかし、一方では賃金のことや仕事の中身などを考えて、その選択肢しかない場合だってある。
平成16年、新自由主義の圧力を受けた小泉改革の一環で労働者派遣法が改正され、物の製造業務の派遣が解禁され、グローバリズムの中で生き残りをかける産業界にとって、雇用調整の可能性を大きく広げた労働者派遣法の改正はまさに打ち出の小槌。
そして、それは景気の緩やかな拡大という追い風と、若者の“自分探し”とかいう風潮に乗って急速に拡大し、米国発の荒波に一瞬にして飲み込まれたという印象です。
下流社会 第2章 今、三浦展の「下流社会 第2章」を読んでいますが、ここにはデータを基にして衝撃的なことが書かれています。
若年層、特に20歳から24歳の若者でニートを含む非正規社員は、正規を望む割合が非常に低いという衝撃的事実と、正規の生活満足度より、ニートを含む非正規のそれが高いと言う事実。勿論、この数字は年齢層が高くなるにつれて高くなるし、10年後に望む姿は、正規であるものの、現状の正規にはなりたくないと考えているとしています。
ここから見えてくるのは、コミュニケーションが苦手で、仕事に縛られず自由に生きたいと思う、まさに、半径1メートル以内で生活したがる若者の姿です。
希望の持てる社会に こういう現状を見ると、自己責任論を声高に叫びたくなる気持も良くわかります。勿論こういう人が全てではないのですが、そのような若者も含めて社会全体として支えなければならない構造があります。
そのような現状を変える必要があるのかどうか?ここも意見が分かれると思いますが、僕は、退廃して衰退するわが国にはしたくない。やはり多くの若者が希望を持って生き、夢の実現に向かって努力していく社会であって欲しい。
そのためにやることが沢山あると、決意を新たにした新聞記事でした。